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【特別企画 共生社会を目指して】KHJ岡山きびの会

副会長矢田初恵
(社会福祉士・精神保健福祉士)

ひきこもり家族会として、20周年活動

KHJ岡山きびの会-1

 KHJ岡山きびの会は、2001年12月に、全国ひきこもり家族会の初代理事長・故奥山雅久氏を迎えて、岡山市金剛寺にて、第11番目の支部として誕生した。

 私も次々と親の方々が発言され、その熱気あふれる雰囲気だけは、はっきりと思い出される。「何年も本人の顔をみていない」「朝、2階から庭へ物が投げられている」「親を責めて、毎晩寝させてくれない」etc。

8050問題・ひきこもり長期・高齢化

 内閣府の最新調査で、ひきこもりの40歳以上の方が、100万人と言われる。時の経過は全国でも、岡山県でも、きびの会でも例外なく、今、本人を支えてきた家族が「この子を遺して死ねない」こととして社会にクローズアップされてきた。

 青少年の問題(非行と同じ並びの問題行動)であった「ひきこもり」が「ひとりの人も孤立させない、とり残さない」社会福祉の問題として認識されるべきと思う。今や現場では、9060のケースに出会っている。

ピアサポーターとの共同、協働へ

 ひきこもりを体験した本人、自己回復をはかっている本人たちが中心となり、KHJ全国ひきこもり家族会で、2013年より「ピアサポーター養成研修」が始まった。きびの会に、その第一回に参加されたTさんがおられる。現在も当時の全国の仲間との交流を行い、きびの会では「体験発表」や居場所「シニア学級」を担当されている。

 令和元年度、きびの会では、長い間、会長として牽引された川島烗三氏が80歳にて勇退され、「顧問」になり、ひきこもり体験者である会長に馬場貴裕さん、副会長に浅山広大さんを迎えることができた。

 規約も「子ども」という表記をあらため「本人と家族の会」として、取り組みを始めている。KHJ本部のピアサポート養成研修が中国ブロックとして、岡山県きらめきプラザで、のべ3日間開催され、きびの会から5名が修了した。

 なお現在、きびの会では12名がKHJピアサポーターとして登録している。目標を同じく信じあい、助け合い、力を合わせていきたいと思う。

だれでも集える居場所活動

KHJ岡山きびの会-2

 岡山県では、全国に先駆けて、ひきこもり「社会適応支援事業」として、きびの会が委託を受けて、現在、表町1丁目上之町ビル4階に、きびの会居場所を開いている。原則として、月・水・金・土の週4日午後~、現在はその当番の半分を、ひきこもり本人が行っている。3年前から始まった「夜の居場所」は、浅山さんが担当し、毎週(水)18~21時、仕事に就いている方も参加することができる。音楽が流れ、橙色のランプが灯る空間が生まれる。

 障害者総合支援法の施行により、手帳の有無、支援区分や住所地などにより、いわゆる「支援センター」も、自由な居場所ではなくなっている。

 市内の中心部で、小さいが、本人たちのひとつのオアシスになっていければ、と願っている。

きびの会「月例会」月1回(第2日曜)ゆうあいセンター

 岡山市からの助成事業として実施。家族の要望、本人の体験発表、新しい対策の学習の場として開いている。

 今年度では、コロナ防止対策措置のため、オンラインも活用した。

 「地域における重層的支援」や「ポレポレ農園のとりくみ(松田勝氏)」「備前市でのひきこもりプロジェクト(難波規子氏)」など(なお、山陽新聞情報ひろばに掲載いただいている。)を実施した。

きびの会会報、第222号発行(3月)

 会員をはじめ、県内の保健所、市町村社会福祉協議会など関係機関へ「月例会」終了後、送付している。本人の紙面参加や、発送作業での協力などを目指している。

訪問・相談活動

 きびの会発足以来、山本利美さん(Webカウンセラー)が、ご自身の病をおして活動されている。24時間電話相談、SNSなどを活用して、応じてくださっている。

 令和3年度は、出張相談会として、月1回、市立南公民館で開くことができた。槌谷さん、矢田さん、浅山さんで担当した。市内だけでなく、倉敷市からの相談もあった。なお、コロナ対策のため、訪問は制限されている。

ひきこもり支援のネットワークのひとつとして

 きびの会の取り組みは、本人・家族にとって「本音が話せる」「元気をもらう」「力を合わせる」場になればと、心から願っている。

 決して大きな会ではないが、地道に、取り組みを続けていきたい。

 同時に、県、市ひきこもり支援センターへの橋渡し、教育機関への相談など、ひとりひとりを通して、ひきこもり支援ネットワークのひとつとしての役割をはたしていきたいと思っている。

〒700-0822 岡山市北区表町1丁目4-64 上之町ビル4F
KHJ岡山きびの会
電話:086-230-2272
メール:khj_okayamakibinokai@yahoo.co.jp