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平成30年7月豪雨災害における岡山県災害福祉派遣チーム(DWAT)の活動

災害派遣福祉チームとは

 災害派遣福祉チーム(DWAT)とは、福祉の資格をもった専門職のチームであり、被災自治体からの派遣要請に基づき一般避難所等に派遣される公的なチームです。

 チーム員は社会福祉士や介護福祉士、介護支援専門員などの資格を持っており、医療・保健チームや他の団体と連携しながら、一般避難所内において二次災害(災害関連死・重度化)の防止を行い、避難所を退所した後も支援が受けられるように必要に応じて地元の福祉サービスへ繋ぎます。

(DWAT=Disaster Welfare Assistance Teamの略称)

岡山県の組成状況

 本県では、平成29年から岡山県行政並びに関係団体と協議を進め、岡山県社会福祉協議会を派遣事務局とし、社会福祉施設で組織された種別協議会(社会福祉法人経営者協議会、老人福祉施設協議会等)の6団体、福祉専門職で組織された職能団体(社会福祉士会、精神保健福祉士協会等)の6団体に参画いただき、災害派遣福祉チーム(DWAT)を組成・構築いたしました。各団体より推薦いただき、192名のチーム員が登録をしており(令和2年1月末時点)、高齢・児童・障害等に関する多様な福祉の専門性を持ったオール岡山のチームづくりをしております。

平成30年7月豪雨災害における活動

 平成30年7月豪雨災害時には、岡山県の災害派遣福祉チームとしては初の派遣となり、一般避難所であった真備町の岡田・薗・二万小学校の3箇所において7月10日から9月2日までの55日間活動を行いました。

 既に活動経験のあった岩手県・京都府のチーム、活動経験はないが組成がなされていた青森県・群馬県・静岡県のチームに応援いただき、県内39チーム(延べ262名)、県外19チーム(66名)が一般避難所の要配慮者支援等にあたりました。

以下、1~5は主な活動内容です。

(1)ラウンド・アセスメント

 医療救護班(DMAT)や保健師チーム、JRAT(リハビリ)等の専門職チームと連携し、避難所内の要配慮者の把握、心身の状態や生活環境の確認、声かけを行いました。

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(2)要配慮者支援(福祉サービスへの繋ぎ等)

 アセスメントから見えてきた課題や福祉的な支援が必要な方々に対して、福祉施設利用への連絡調整や、虐待案件の通報など必要な支援を行いました。仮設住宅への転居や避難所の閉鎖の段階では、積極的に地元の関係機関に引き継いでいきました。

(3)環境整備

 JRATや避難所運営責任班等と連携して下駄箱やスロープ設置提案等の福祉的な視点に立った環境整備を行いました。また、避難者と一緒に清掃を行うことで、公衆衛生への意識向上にも努めました。

(4)なんでも相談

 被災者の置かれた状況は、日々変わっていくため、いつでもなんでも相談できるブースを設け、傾聴の姿勢で避難者の相談支援にあたりました。

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(5)つどいの場(サロン活動)

 介護予防や仲間作り・交流を目的に、軽体操や茶話会を行いました。

医療・保健との連携

 活動初日に診察をした医師からの依頼により要配慮者の継続的なフォローを行ったり、また、要配慮者の把握のために保健師チームと一緒に避難所を回ったりする中で、避難所内における下図のような組織図が描かれました。

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 さらに、避難所の医師から要請をいただき、医療・保健関係者が集う「倉敷地域災害保健復興連絡会議(KuraDRO)」へ活動3日目より参画をすることとなりました。

 このように避難所内または組織間において、医療・保健・福祉の連携体制が要配慮者支援を行う中で構築されました。

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今後に向けて

 平成30年においては、チームを組成して間もない状況での活動でしたので、体制として十分ではない点もありました。

 今後に向けて、平時から医療・保健師チーム及び他団体と課題や情報共有の場を会議等を通して持つこと、研修・平時の活動による継続的なチーム員の養成を行うこと等に努めていきます。

さいごに

 チームの活動は、9月2日をもって終結しましたが、県内の社会福祉法人や福祉施設、病院、種別協議会や職能団体等からの職員派遣・応援派遣、ご支援がなければ継続して活動展開することはできませんでした。心より厚く御礼申し上げます。

(福)岡山県社会福祉協議会
地域福祉部 経営支援班